前回お話したように、口臭のほとんどが口腔内に原因があることは理解できましたか?
そちらがわかったところで、では口臭が出ないように予防するにはどうしたらいいのでしょう。
もちろん、虫歯がある人は治療してしっかり治し、歯周病も定期的に歯科医院でチェックをしていかなければなりません。
それらが終わった上で、日々の生活での一番の予防は、口腔内の細菌を減らすことです。
口腔内の細菌は水や洗口剤などで口をゆすぐだけでは取れません。
物理的な、歯ブラシやデンタルフロスなどを使わなければ落とすことはできないのです。
なので、特に口腔内が乾燥する寝る前はしっかり歯を磨いて汚れを落とすようにしましょう。
舌苔が気になる場合は舌専用のブラシもあります。
舌はとても繊細で、普通の歯ブラシで磨くと舌の表面を傷つけてしまうことがあるので専用のブラシを使うようにしましょう。
そして細菌を減らすことが一番大切ですが、細菌の活動が活発になる環境を作らないことも大切です。
細菌が好むのは、先ほども説明をしましたが乾燥している状態ですね。
お口の中はなるべく乾燥しないようにしましょう。
特に起きている時はコントロールしやすく、いくつか方法があります。
水を飲むのもいいですが、一番は唾液をたくさん出すようにすることです。
唾液の量は人によって多い、少ないがありますが、唾液の分泌を促す方法は…
- 食べ物をよく噛んでたべる
- 口の中の刺激(歯ブラシやうがい、またはガムを噛むなど)を増やす
- リラックスすることを心掛ける
- 唾液腺マッサージを行う
最近はドライマウスと言って薬や病気によって唾液の分泌量が減ってしまう人も多くなっています。
そういった方もこれらはぜひ参考にしてみてください。
そして夜寝る時に口が開いてしまう人。
これも方法はあります。
唇の上下にサージカルテープなどを貼って物理的に口を開かないようにするのです。最近は薬局で専用のテープや、香りがついていてアロマ効果があるテープも売っています。
夜寝ている時に口が開いている人は口呼吸をしているのですが(昼間起きている時にしている人もいますが)、口呼吸をしていると口の中が乾燥するだけでなく、風邪をひきやすかったり、アレルギーを起こしやすかったりするのです。
そういったことを予防する面でもテープを貼ることはとてもおすすめです。
自分の口臭はなかなか分かりにくいですが、自分で調べる方法がいくつかあるのでそちらを紹介していきます。
- コップに息を吐く
これはとても簡単な方法で、自分の息をコップに吐き一度蓋を閉めます。
少し間を空けてから蓋を空けて匂いを嗅ぎます。
その匂いが自分の口臭です。
- ビニール袋に息を吐く
これもコップと似ているのですが、ビニール袋の中に息を漏れないように吐きます。
その後1分ほど待って、袋の中の匂いを嗅ぎます。
ビニール袋は分かりにくくなってしまうのであまり大きくないものを使いましょう。
- 手の甲などをなめてみて唾液の匂いを嗅ぐ
手の甲などを舐めて、しばらくしてから舐めたところの匂いを嗅ぎます。
唾液にも細菌が溶け出しているので口臭がある場合は唾液も匂いがあります。どんな匂いがどれくらい強いのかがわかります。
- マスクを使う
マスクをして、ゆっくりと口から息を吐きます。そのあと鼻から吸ってみて匂いを嗅ぎます。
- 口臭チェッカーを使う
薬局など、市販で売っている口臭チェッカーでも口臭を調べることができます。口臭の強さを数値として出してくれるので分かりやすいですが、どんな匂いかわからないのが欠点でもあります。
- デンタルフロスの匂いを嗅ぐ
デンタルフロスで歯と歯の間の汚れを取り、匂いを嗅ぎます。
汚れがずっとあるものだとかなりキツイ匂いがしますが、それが口臭として出ているかもしれません。
意外と、手軽に調べられる方法がたくさんあるので、できそうなものを選んでやってみるのもいいと思います。
ただ、朝起きたあとや歯磨きのあと、タバコを吸ったあとやお酒を飲んだあとなどその時その時で口の中の匂いは変わってきます。
チェックしたあとの匂いが全てだとは思わないでください。
仮性口臭症というものをご存知ですか?
仮性口臭症は、実際には口臭はないのに本人は口臭があると思い込んでいるものをいいます。
このような場合は歯科医院の方で説明をし、それで納得すれば特に問題はないのですが、それでもやっぱり気になる!という方は口臭専門の歯科医院や、大学病院などに行くこととなります。
そのような場所だと口臭を測定する専門の機械があり、そちらで数値としてどれくらい口臭があるのかみていきます。
その機械での数値が基準以下であるのにも関わらず口臭があると本人が訴えた場合は仮性口臭症と診断されます。
そして稀なケースにはなりますが、もっと重度な方だと自分の口臭がひどいと思い込み、人付き合いができない、外出さえもできないという方がいます。
そのような場合は口臭恐怖症という診断をされます。
このような場合は精神科や心療内科の受診を勧められることもあります。
ここまではいかなくても、口臭が気になる、でも周りの人や歯科医院では特にないと言われる…という方は専用の機械で一度数値としてみると安心できるかもしれません。
意外と気にしている人ほど口臭がなく、気にしていない人ほど口臭がひどかったりもします。
自分はどうなのか、家族や気心が知れた人に思い切って聞いてみるのもいいですね。
口臭について理解していただけましたか?
周りの人が不快にならないような環境作りをしていきましょう!