人間の歯は、乳歯から永久歯へと生え変わります。
乳歯は20本、永久歯は28本、親知らずを入れて全部で32本です。
人間以外の動物は、歯の本数や生え変わりの回数などにさまざまな違いがあります。
人間の歯と他の動物の歯の違い
人間は、歯があることで食べものの歯ごたえや歯触りを感じること以外に、会話の役割も果たしています。
例えば肉食動物の場合、獲物を捕まえる手の役割や、骨などの硬いものを噛み砕くために適した歯を持っています。
人間と動物では、オスとメスで歯の本数が違ったり、何度も生え変わったり、一生の伸び続けたりなどさまざまです。
歯の本数の違い
- 人間 28本
- 犬 42本
- 猫 30本
- 豚 44本
- 馬 オス40本 メス36本
馬の場合、オスとメスで歯の本数が異なる珍しい動物です。
ちなみにライオンはネコ科のため猫と同じ形の歯をしていて、本数も30本です。
歯の形の違い
食べ物の種類や食べ方によって歯の形も異なります。
ライオンなどの肉食動物の場合は全ての歯が鋭くとがった形をしています。
反対にキリンなどの草食動物は、草をすり潰しやすくするために適した平らな歯を持っています。
ちみにキリンには前歯がありません。
人間のような肉や野菜も食べる雑食動物は、とがった歯(犬歯)と、平らな歯(臼歯)両方を持っています。
同じ形をした歯が並んでいる歯を「同型歯性」といい、大きさの異なる歯が並んでいる歯を「異形歯性」といいます。
- 同型歯性:イルカ・ワニなど
- 異形歯性 :人間・犬・猫などの多くの哺乳類
歯の生え変わり
ワニやヘビなどの爬虫類は歯が欠けたり抜けたりしても、また新しい歯が生えてきます。サメの場合、抜けても一生歯が生え続けるのは有名な話ですよね。
歯の生え変わりの違いには「一生歯性」「二生歯性」「多生歯性」があります。
- 一生歯性:一生の間に1回しか歯が生えない動物(ネズミなど)
- 二生歯性:乳歯から永久歯に生え変わる動物(人間や犬・猫)
- 多生歯性:何度も生え変わる動物(爬虫類など)
伸び続ける歯
ウサギ・リス・ネズミ・ハムスターは、歯が一生伸び続ける動物です。
一生伸び続ける歯のことを「常生歯」「無根歯」といいます。
歯が伸びすぎないように、硬いものをかじって歯を削りながら調整しています。
歯のない動物
ニワトリやインコなどの鳥には骨はありません。
歯がない代わりに、お腹の中の「筋胃(きんい)」と呼ばれるところで食べ物をすりつぶしています。
動物も虫歯や歯周病になる?
野生の動物は、歯磨きをしなくも虫歯や歯周病にはなりにくいといわれています。
これには食生活が関係しており、野生の動物の食べ物にはほとんど糖分は含まれていません。
さらに木の実や肉などの硬いものを噛み砕いて食べる度に、汚れがこすれて取れていきます。
しかし人に飼われている犬や猫などのペットは、野生での食生活とは異なるため、虫歯や歯周病にならないように歯磨きが必要です。
特に「犬や猫は虫歯になりにくいが、歯周病になりやすい」といわれています。
口腔内が酸性に傾くと虫歯菌が繁殖しやすくなりますが、犬や猫の口腔内のpHはアルカリ性なので虫歯になりにくい環境です。(人間のpHは6.5〜7の弱酸性)
しかし、アルカリ性の口腔内では歯石がつきやすいため、歯周病には注意しなればなりません。
歯周病になってしまうと人間と同じように歯を支える骨が溶け、抜け落ちてしまいます。
動物病院では、犬や猫の歯石除去も行っているそうです。
私たち人間は、乳歯から永久歯に生え変わりますが、永久歯は一生使う歯です。
人間も原始時代には虫歯と歯周病になりにくかったといわれていますが、食生活の大きな変化によってリスクが高まったようです。
毎日のセルフケアと定期検診で、口腔内のトラブルを予防しましょう。