「歯周ポケット」という言葉は、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
歯医者さんで「奥歯の歯周ポケットが深くなってますね」などと言われた方もいるかもしれません。
では、歯周ポケットが深くなると、どうなの!?と思っても、その場でなかなか聞きづらいですよね。
「歯周ポケットが深くなる」ことの意味についてお話します。
「歯周ポケットが深い=良い意味ではない」というのは分かっていても、どうして深いと良くないのでしょうか?
それは、「歯周ポケットか深いほど、歯周病が進行している」と言えるからです。
歯科医院で歯周病の検査を行うとき、歯の揺れ動きや歯ぐきからの出血を調べるのと一緒に、歯周ポケットの深さを測定します。
歯周ポケットの深さを知ることで、歯周病の進行具合がわかるのです。
そもそも、歯周病の原因は歯周病菌という菌です。
歯周病菌は、空気に触れることを嫌う菌なので、なるべく奥深くへ隠れようとします。
最初はそこまで深くなかった歯周ポケットも、奥へ隠れたい歯周病菌に組織を破壊され、徐々に深くなっていくのです。
ポケットの奥底に逃げ込んだ歯周病菌を追い出すのはなかなか大変です。
歯周病のごく初期と呼ばれる、軽い歯肉炎であれば、適切なブラッシングで炎症が落ち着くこともあります。
しかし、大抵の場合おうちでのセルフケアでは不十分ですので、歯科医院での専門的なケアを行い、ブラッシング指導を受ける必要があるでしょう。
歯周病が進行している場合には、外科治療が必要になることもあります。
では、歯周ポケットが深くなり、歯周病が進行するとどうなるのでしょうか。
「歯周病で歯がグラグラして…」などというフレーズをCMなどでもよく耳にしますよね。
歯周病が進行して、歯を支える組織が大きく失われると、歯はグラグラしてきます。
最悪の場合、歯が抜けたり、抜かなくてはいけなくなったりします。
そこまで進行してしまう前に歯周病に気付く必要があります。
しかし歯周病は知らないうちに痛みもなく進行するので厄介です。
出来るだけ早く気づくことで、1本でも多くの歯を残すことに繋がります。
現在、日本の成人の約8割は歯周病にかかっている、といわれています。
「じゃあ私は2割の方なのね」と思っている方に質問です。
歯科医院できちんと歯周病の検査を受けたことがありますか?
「歯もしっかりしているし大丈夫」と思っていても、歯周ポケットが深くなってきているところがないとはいいきれません。
歯科医院では、歯周病をなくすために、さまざまな治療をします。
ポケットの中を掃除したり、消毒をしたりしますが、1番大切なのはおうちでのブラッシングです。
自己流のブラッシングではなく、きちんとした清掃が行えるようなブラッシング方法を直接指導してもらうことで、むし歯や歯周病のリスクをぐっと下げることができますよ。
これから先の人生を健康的に送るためにも、1度歯科医院で検査されてみてはいかがでしょうか。
どんな病気も、悪くならないうちに診てもらうことが大切です!