虫歯だと思って歯医者に行って、
「神経を抜きましょう」と言われたら、びっくりしますよね。
神経を抜くのも、虫歯治療の一つなのですが、
「神経を抜く」と言うだけで、とても大掛かりな治療のように感じられる
のではないでしょうか?
この神経を抜く治療を『抜髄(ばつずい)』と言います。
実際、この抜髄は、削って埋める、または詰め物をするといった、
即日、もしくは2回ほどの通院で治る治療とは違います。
治療が完了するまでに、通院回数も5回以上かかってくることも、多いです。
1本の歯を治すのに、5回以上も通院!?
ただでさえ、痛くて怖いイメージの歯医者なのに、そんなに行かないといけないを思うと、憂鬱になりますね。
しかし、風邪は放置していても、治ることはありますが、
残念ながら、虫歯は放置していても、絶対に治ることはありません。
そして、放置すれば、悪化していくばかりです。
また神経を抜かないといけない程の歯を放置してしまい悪化すると、
最終的には、手の施しようがなく、結果、歯自体を抜くしかなくなってしまいます。
そうならないためにも、まず、どんな歯が神経を抜くことになるのか、また神経を抜くとはどんな事かをお話ししていきますね。
歯医者で先生に
「歯の神経を抜きましょう」
と言われると、「抜く」という言葉だけに少し躊躇してしいますよね。
ここでは、歯の神経を抜いた方がいいのか?残しておくべきなのか?をお伝えしたいと思います。
「神経を抜く」と言うくらいですから、当然、歯の感覚も無くなります。
感覚がなくなるという事は
痛みや、冷たいものがしみるという事も感じなくなります。
こう聞くと、良い事な気がしますよね。
しかし、感覚がないという事は、温度を感じたりする事も出来ません。
幸い、人は1本ずつの歯から温度を正確に感じ取って食事をしているわけではないので、1本の歯が温度を感じないからと言って、食事がおいしくなくなるということはないでしょう。
だけど、もし沢山の歯の神経を抜いてしまっている場合は、食事の微妙な温度も感じられず、味気ない食事になってしまうかもしれません。
また、抜髄した歯(神経を抜いた歯)というのは、木で言えば幹の中を水が通っていない状態になってしまいます。
そうすると、木は、スカスカになり、枯れてしまいますよね。
歯でも同じことが言えます。
どうしても、歯自体がスカスカになり脆くなってしまうのです。
噛み合わせなどの強すぎる力で、歯の根っこに負担がかかり、歯が折れてしまうなんてことがあるのですが、その場合も、痛みを感じることがないので、
気づいた時には「折れてしまっていた」なんてことにも、なりかねません。
ですので、歯の神経は出来るだけ、抜かずに保っておいた方がいいのです。
しかし、健康な歯であれば、間違いなく神経は抜かない方が良いですが、
既に虫歯になっていたり、噛み合わせや知覚過敏などの原因で、抜髄が必要と診断された場合は、神経を抜いた方が良いです。
では、抜髄の必要な歯を抜髄せず放置した場合、どんな事が起こるでしょうか?
まず、もし痛みが出ていない状態だった歯だとしても、
突然、激しい痛みが出る可能性があります。
また、歯髄が感染し、膿が溜まってしまうこともあり、この場合、膿が歯を支えている骨にまで、影響を及ぼす可能性が出てきます。
そして、激しい痛みが出てしまっている状態の時には、麻酔が効き辛いため、
痛みを我慢しながら、治療しないといけない場合があります。
痛みが出ていないと、どうしても
「本当に治療しないといけないの?」
「痛くなってからでいいや」
と思ってしまいがちですが、そうなった時には、治療することが、より困難になり、更には余計に治療回数が増えてしまいます。
また、抜髄が必要と診断された歯を放置すると、最悪の場合、神経だけではなく、歯を抜かないといけなくなることもあります。
歯の神経は、とても大切です。
健康な状態の神経であれば、絶対に抜かない方が良いものです。
しかし、虫歯になっていたり、強い炎症を起こして、罰時が必要と診断された場合には、きちんと抜髄してもらう方が、歯のためにも良いことです。
痛みがあるか無しかではなく、先生の診断に合わせて一日でも早く治療しましょう。